父の魂との会話時の手記4


数年前に死んだはずの伯父が私の前に現われ、こう言いました。

 

「おまえには、これからまだ、二人を育てたり、色々やることがある」と。

 

私にはまだ、二人の子どもを育てたり、他にも色々とやることがあるというわけです。

 

当時の私は将来の不安もありましたが、それ以上に今を生きる事に精一杯で、自分の使命やお役目なども考える余裕などありませんでした。

なので、いっそ死んでしまいたいと思うことも、しばしばあったのですが、伯父の言葉で私は救われた気がしました。

 

 

伯父の姿に代わり、今度は父親の姿が現われ、こう言いました。

 

「いつでも会える。いつでも会えるんだ」と前振りしながら、「今は無理だと思うけど、金に余裕ができたら一回、身体の検査を受けてきた方がいい。俺に似て無理する所あっから。大丈夫だ。大丈夫なんだけど、一応な」

 

つまり、自分の弱い所を知っていれば、未然に対策も練れるし、予防になると。

 

 

私は、子どもたちに伝えたいことが無いか、父親に聞きました。

すると父親は、

 

「おめえが教えてやれ」と言いました。

 

 

お母さんには?と私が聞くと、

「伝えた。あとで本人から聞け」と言います。

 

こっちで父親という人間のイベントを終えてはいましたが、生前の父親目線で私に話してくれました。

 

 

父親が患っていた、癌について聞いてみると、

「病気はもう、たくさんだ」

「苦しかった。ずっとだ」

と、本音を語ってくれました。

表面では平気そうに装ってはいましたが、本当は辛かったようです。

 

 

私の妹へのメッセージを聞くと、

「昔は心配してたけど、子どもができてからはビックリした。さすがお母さんの子だ」

と言い、妹へは、「孫たちを頼む」というメッセージをくれました。

 

 

当時私は、今の仕事をそのまま続けるか、それとも転職をした方が良いのかずっと悩んでいました。

私は今がチャンスと思い、正直に胸の内を明かしました。

すると、

「それはおめえの選択次第だべ。俺に聞くことじゃねーべ」

と、核心を突く返答に、私は思わず苦笑いをしてしまいました。

 

 

父親は昔から、私が幽霊を見たり、あの世のことを話したりするのを嫌っていました。そして、完全否定していました。

そのことについて私は、父親に聞いてみました。

すると即答でした。

 

「試してたんだ」と言うのです。

 

 

何かやり残しが無いか聞くと、「ねえ(無い)」の一言です。

 

 

私たち家族や母親など、今後、気を付けることがあるか、何かアドバイスがあるか訊ねると、

「そういうのは聞くな……」と言われました。

 

 

私はさらに突っ込んだ質問を父親にぶつけました。

成功するための秘訣を聞いたのです。

すると父親は、

 

「逆らわねえことだ。こう、気持ちが湧いてくっぺ。それに逆らうな。難しくねえ」

「そのまんまでいいんだ」

 

と教えてくれました。

 

当時の私は何のことか、あまり理解ができませんでしたが、今になって、やっとその意味が分かる気がします。

確かにその通りなんですが、気持ちに逆らってしまうのが、人間の哀しい性かもしれませんね。